2011年 07月 11日
今回の出張は、往路の777と復路のA380(!)の中で、邦画ばかりを計4本観ました。 一応、ネタバレしているので、御注意下さい。 一本目は『ジーン・ワルツ』。 菅野美穂は相変わらず可愛いけど、舌足らずな喋り方と役柄が合っていないような気がした。あまり「天才医師」という雰囲気が伝わって来ないと言うか。 それはそれとして、2~3年前辺りに色んな分野のお医者さんと知り合って話を聞く機会があったけど、勤務医って結構大変ですね。映画は二時間しか時間がないので描ききれない部分も多いだろうけど、原作を読むと背景にある医師の過酷な勤務環境と主人公の下した結論との相関とか、もう少し書かれているんでしょうかね。冒頭の出来事と話のオチがあまりかみ合っていないような気もしました。 あと、田辺誠一が普通に良い人の役をやっているのって珍しいですね。原作だともう少し葛藤したり、揺れ動いたりしているのかもしれませんが、映画では何となく最初から最後まで裏表のない描き方でした。 二本目は『僕と妻の1778の物語』。 ジャニーズ・ファンの方には申し訳ないですが、草彅剛って、これまで数多くの映画やドラマで主演を張っているのに、なかなか演技が上手にならないですね。浮世離れして夢見がちな人物像を演じるのとセリフを棒読みするのは違うのではないか、とそこばかりが気になってしまいました。 一方で、竹内結子があまりにきっちり演技しているので、落差の大きさはあれど、作品としてはまとまっているかな、と。あと、先ほどの『ジーン・ワルツ』では患者の身内という役回りだった大杉漣が、こちらでは医師役で出てくるのですが、これがまた渋くて存在感ありまくり。画面に出てきた瞬間に、完全に主役を食っていましたよ。 まあ、でも、最後は谷原章介が途中で言っていた通りになって、何だか辛い話でしたね…。 三本目は『阪急電車』。 これは自分が毎日乗っていた電車の話なので、原作も読みましたし、映画も観たいなと思っていたところでした。 各エピソードが原作よりサラッと描かれているのですが、原作では女性特有の嫌らしさを結構際どく書いている個所があるので、映画くらいサラッとしている方がいいかもしれません。ただ、サラッとし過ぎていて、登場人物のセリフの背景や意義が映画だけだと分かりづらい部分もあるかもしれませんが。 役柄に比して玉山鉄二はハンサム過ぎるような気がしてなりません。安めぐみの花嫁姿もそれなりに綺麗だったので、中谷美紀に「私の方が絶対綺麗なのに」とか言われまくって可哀想でした。まあ、本当に不細工な女優さんを配すると、生々しすぎてエンターテイメントとして成り立たなくなるのでしょうが。 そして、ここにも大杉漣登場。チョイ役でしたが、いい役者さんが出ると、画面が引き締まりますね。 あと、谷村美月が可愛かったです。 エキストラで地元の知り合いが出ていたはずなのですが、どこに出ていたかは見落としてしまいました。いずれDVDでも買って、ゆっくり探そうかと思います。 最後は『八日目の蟬』。 テレビCMで流れる中島美嘉の主題歌が「何だか、大仰だなぁ」と思っていたのですが、映画を観終えてラストで流れると、非常にしっくり来る感じです。 色んな方が評で書かれていますが、この映画のポイントは永作博美の役柄に感情移入できるかどうかでしょうね。小豆島の美しい自然を背景に「これでもか」というくらいピュアな愛情を描こうという演出が見て取れ、実際にそれはそれで泣けるのですが、一方で森口瑶子の役の描かれ方があまりに不憫な気もします。 もちろん、騙す男と騙される女では男性が加害者で女性が被害者なのでしょうが、ひと様の家庭生活を壊したという意味では加害者でもあるわけで、その点を「それはそれで置いといて」とあまりにあっさり脇にどけ過ぎてしまっているように感じました。 ところで、小池栄子は演技が上手なんですね。ちょっとメンタルに不安を抱えている感じが、画面からビシビシ伝わってきました。役柄の上のことなのでしょうがないのですが、劇中のセリフに対して「でも、お前、プロレスラーと結婚してるだろう!」と突っ込んだのは内緒です。 あと、こうして見ると、永作博美と井上真央は結構似ているんだな、と思いました。 というわけで、色々書きましたが、全ての作品で一回ずつは泣いたので、どれも面白かったです。
by kcchicago
| 2011-07-11 00:34
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