それからの日々

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2012年 04月 01日

企業の自己定義

広すぎると、耳触りの良い宣伝文句にしかならない。
狭すぎると、単なる現状肯定にしかならない。

企業の戦略に連動していないと意味がなく、そのためには広すぎず、狭すぎない、ちょうど良い幅の自己定義が必要というお話。

自己定義と言っても、会社の存在意義とか社会的役割とか、そんな話ではなく、もっと明け透けに「うちの会社は何をやって儲けているのか?」ということ。そういったことを改めて考えてみた方が良い時期に来ているのではないだろうか?

広すぎる自己定義というのは、「当社はお客様の笑顔を作りだす企業です。」とか、「地球の明日に貢献します。」とか。あまりにも広すぎて、何も言っていないのと同じ。総論で反対する人はいないけど、この自己定義を各論として戦略にどのように落とし込めばいいか、何の指針にもならない。

狭すぎる自己定義というのは、「当社はAというカテゴリのお客様に、Xという技術で貢献します。」というもの。それはその通りなんだけど、細かく現状を肯定しているに過ぎず、何の発展性もない。

ちょうど良い幅の自己定義というのは、例えば「当社は業界の知見を活かしてAというカテゴリのお客様に貢献します。」とか、「当社はXという技術を核に、お客様に貢献します。」とか。前者であれば、Xという技術が陳腐化したとしても、Yという新たな技術やZというサービスでAカテゴリのお客様相手に事業展開できる可能性があるし、後者であればAカテゴリの市場が飽和したとしてもXという技術の転用でBやCといった新たな市場を開拓する可能性が残る。

自社の強みをしっかり把握して、事業を狭く限定し過ぎない、ということになるでしょうか。

これまで、「Aカテゴリのお客様に、Xという技術で貢献する。」という認識を変えないまま、あるいはそんな自己定義なんて全く意識せず、事業の在り方の根本的なところは変えないままでも何十年もやってこれたのでしょうが、これから先は自社の強みを活かした新たな事業展開というのを意識的に考えていかなければいけない。

そして、こういった自己定義を最も的確に行い、その自己定義に基づいて新たな事業を展開できるのは、何よりその会社のことを最もよく知っている社員に他ならないと思うわけです。著名なコンサルタントに頼るでもなく、一部の企画担当取締役の思いつきでもなく、社員相互の議論によって顕在的に意識されてこそ、新たな事業展開への内発的な動機ともなり得るのだろう、と。

そして、そういった議論を促していく土壌を作るのが、経営者の役割なのだろうな、と思います。
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by kcchicago | 2012-04-01 17:28 | MBA | Comments(0)


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