それからの日々

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2005年 12月 24日

ROE8.9%

今朝の日経記事の一面です。

まあ、ROEが上がってる背景として、絶対値としての利益額が上がってるのは何よりだし、これからもそういった努力を続けることは企業側にとっても必須のことになるのでしょう。

ただ、どうしても違和感があるのが「欧米企業には見劣り」のくだり。忘れてはいけないのが、リターンを語るときには必ずリスクも同時に考えなければいけないということ。シカゴ大学のように「市場は効率的だ」という立場から考えると、ROEの絶対値が低いことが「劣っている」ことであるのならば、当然日本企業の株は市場で売り浴びせられてしかるべき。そうすれば当然、株価や時価総額も下がり、ROE計算の分母が下がることで、ROEの絶対値は上がる。そして市場が適切だと考えるROEの水準が達成されるまで株は売られ続けるのではないか。

現実としてそうなっていないのは、市場もある程度、リスクとリターンの関係を冷静に見ているからではないか、即ち日本企業のROEの低さには、それを合理的に説明し得るだけのリスクの低さ(事業の安定性)がある、と市場参加者も考えているのではないか。

以前に日銀が発表した調査結果で、日本企業のROAは欧米企業と比較すると圧倒的に低い、というのがあったけど、この調査から考えうる結果は「日本は、企業社会全体に『リスクを取りにいこう』という風土がない」というものだったかと記憶している。もちろん、それ自体が問題と言えば問題なのかもしれないけど、ここでもリターンは常にリスクと対比して考えている、ということがポイント。

あと、ROAではなく、ROE固有の問題として言えるのは、企業の側では分母をコントロールしにくい面があるということ。いくら企業が努力して利益の絶対額を上げても、それ以上にその企業の株が市場で買い進められて株価が上がれば、ROEの値は下がってしまう。では、それが悪いことなのかと言えば、リスクとの関係が適切に織り込まれている限り、そうとも言えないだろう。

と、グダグダ書いたけど、要は、ROEの絶対値だけを取り上げて、即それを優劣と結び付けて論じるのは止めにしませんか?ということ。まあ、うちの会社みたいにROA0.1%、ROE0.3%ってのは論外かもしれませんが・・・。ウーム。(-"-;)
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by kcchicago | 2005-12-24 17:07 | 仕事 | Comments(3)
Commented by P at 2005-12-28 05:36 x
欧州のことはよく分かりませんが、アメリカはとにかく会社を運営するにあたってのコストが安いですよね。かなり荒っぽくて効率が悪くて出鱈目に見えても、物的・人的資源、特に後者の人件費が圧倒的に安い。 一部の者が高給かつ経費を贅沢に使っていたとしても、不動産、設備、原料調達費、エネルギー、通信費、そして何よりも一般社員の給与が驚くほど「低」止まりしている。(特にNYCしか知らない人を除いては、)アメリカで生活したことがある方なら分かると思います。その単純さの前では(少なくとも現在までの)日本の高コスト体質は全く異次元の収益構造でしょう(リスクの違いと言ってもいいかもしれません。)。それを同じ尺度でROEだ、ROAだと言って比較しても、ナンか違うなーという感じのほうが強いですね。欧米系の株主が増えたとはいえ、未だ多くの会社の大株主の投資行動も株式の流動性も全然違いますし。
Commented by P at 2005-12-30 03:28 x
私のコメントは、結局何がいいたいのか分からないものばかりですいません。 このトピックに関しても、結局は、ROEやROAでもって、欧米企業と単純比較するのには、合点がいかない点で賛成ということです。また、異質の収益構造が異質のリスク構造(コストは高いけど、一般従業員・周辺インフラ等の信頼性も高く、経営陣の交代可能性も高いこと等々。)と裏腹なので、まさにリスクの違いに帰結しうる、ということについても基本的に同意できる、と言いたかったのです。 失礼しました。
Commented by kcchicago at 2006-01-03 19:08
Pさん、コメントありがとうございます。
しばらくPCを放ったまま帰省してたので、すっかりレスが遅れてしまいました。ゴメンなさい。m(_ _)m
そうですよね。欧米企業とは企業文化も社会風土も違ってて、特にアメリカは社会全体でリスクを取っていこうという文化があるから(本当に社会全体がそう思ってるかは別なんでしょうけど)、リターンだけ見てもね、という感じです。


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