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それからの日々

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2007年 11月 04日

無意味な質問 その③

ナンバーワンか、オンリーワンか?

真面目に書こうと思ってたのですが、日にちを空けたらテンションが落ちてしまったので簡単に。

例えば、ミクロ経済の授業で習うように、市場価格は需要と供給のバランスにより需要者と供給者の限界効用が互いにゼロになるところで成り立つものだけれど、その市場における財が単一の主体によって供給される場合には、市場価格は供給者側から見た限界効用が最大になるところで成立するとかいう話がある。(ウロ覚えで書いているので、誤りがある場合には激しく突っ込んで下さい)

で、マーケティングの授業で習うように、そもそもマーケティングの目的は、自分が供給する財が独占財となるように市場を定義づけることである、と考える。

この二つの話を前提として、自分自身を市場に供給すべき財と見立てた場合、めでたく独占財とすべく市場を区切ることに成功したとすると、この状態は必然的にナンバーワンであると同時にオンリーワンにもなっている。オンリーワンであるためにはナンバーワンでなければいけないし、オンリーワンであることがナンバーワンであるための手段にもなっている。ナンバーツーだけれどオンリーワンであることなんてあり得ないし、それをあえてオンリーワンであると言う場合には、実はナンバーワンかツーかを論じるのとは別の文脈で市場を区切っているに過ぎず、その別の市場で見た場合にはナンバーワンになっている。

例えば、「自分は世界一優れた人間ではないが、自分の妻や子にとっては唯一かけがえのない夫であり父である」と言った場合には、「世界一優れた人間かどうか」という尺度と「特定の人間に対してかけがえのない存在であるかどうか」という全く定義の異なる尺度での話をしているに過ぎず、後者の尺度で考えるとその人はナンバーワンになっているはず。

違った角度からの例では、とある企業が「この市場でナンバーワンのシェアを取る!」と言いつつ、具体的に行っているのは他社の商品やサービスとの差別化戦略だったりする。

あえてビジネスライクな言い方をすれば、世界に一つだけの花だって、特定草木流通市場に持っていけば、立派な市場シェアナンバーワンの商品になるんじゃないか。

と、つらつら考えてみると、ナンバーワンとオンリーワンというのは特に二律背反する話でもなく、むしろ同時に達成することに蓋然性があるものとすら思えてくる。全く前提の異なる市場や定義の異なる尺度の話を並べて「ナンバーワンか、オンリーワンか?」などといった的外れの議論をするくらいなら、「どのように市場を定義付ければ、自分の供給する財(あるいは自分自身)が独占財となれるか?」、「自分はどのような市場(相手)に対して最も効用をもたらすことができるか?」、「その市場の独占状態を成し遂げ、維持するためにどのように努力すればいいか?」といった議論をする方が、余程生産的ではないか、と思う今日この頃です。

by kcchicago | 2007-11-04 01:57 | Days | Comments(0)
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