2008年 01月 06日
MBAでございますと言いながら、実は初めてP. F. ドラッカーの著作をまともに読んだのですが、ドラッカーが世界中で「知の哲人」と称されている意味がよく分かりました。 20年以上前に書かれた本で、今となっては当たり前の分析内容かもしれませんが、こういった分析を経営学の世界で当たり前のこととする基礎を作ったのがドラッカーであると考えると、やはり素晴らしい。 要約すると「イノベーションとは、一握りの天才によるひらめきではなく、設定した目標に向けて組織的にマネージメントされた営みによって達成されるものだ」ということであり、そのための方法論が整理されて記載されているわけですが、エキセントリックなことは一つも書かれておらず、物事の本質を突いていると思える内容だけに、現在でも全く遜色なく通用する内容となっている。 先ほど紹介した『夢をかなえるゾウ』とともに、「言われてみれば当然のことであり、自分でも分かっていたはずのことを、人は何故実践できないのか?」という観点から読むと面白かろうと思います。 そして「実践」という観点からは、右肩上がりの高度成長が止まって誰もが平等に成長の恩恵に浴することが出来なくなり、これまでの成功モデルが全く通用しなくなり、産業構造や人口構造が大きく変わりつつある現代日本こそ、まさにイノベーションを行うに足る社会的土壌は整いつつあるのではないか、と思います。 MBAの知り合いでさえ、「今の日本はすっかり成熟しちゃって、社会的なダイナミズムに欠けるから、新しく事業を起こしても大きく成長するなんてことはないよね。(だからアメリカは羨ましいとか、アジアに目を向けようとか、つながっていくわけですが)」と多くの人が考えていて、誰も積極的に動き出さない今こそ、実は大きなチャンスなのかな、と。 そして、それを自分の仕事に即して考えてみた場合に、特に産業界にインパクトを与えるような新たな製品ができないかな、と思う今日この頃です。(エネルギー燃焼効率の追求や、自然エネルギー利用促進や、原子力の活用や、リージョナル・ジェットの開発なんかは、上記に照らしても非常に真っ当な方向に向いていると思います。為念。)
by kcchicago
| 2008-01-06 13:56
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