2008年 06月 09日
正直言って、この宣伝を見るたびに、トヨタともあろう会社がついに血迷ったか、と思わずにいられません。 車同士の燃費の比較はいいけど、車を買い替えること、新しい車を一台製造することに伴う資源消費量やCO2排出量はどれほどのものなのか?使える車を処分させて、新車への買い替えを促すことがエコなのか? 最新型の車が古い車より燃費が良いのは、技術の進歩を考えれば、ある意味当然だとは思いますが、「エコ」の本質は無駄遣いをなくすことだと考えれば、使用可能なものは可能な限り長く使うことが大事だろう、と。毎年新たな車が出るたびに、燃費は良くなるのですが、その度に車を買い替えるのがエコだ、とでも言いたいのでしょうか?まあ、プリウスがモデルチェンジする度に新しいプリウスを買ってくれ、というのがトヨタの本音なのでしょうが、まだ使える車から乗り換えて、最新型のプリウスを買って、「私って、環境に気を遣ってるのよ」と言いたげな顔の人を見るたびに、所詮エコなんてファッションでしかないのかな、と思います。 そもそもエコを標榜するならランクルなんて売るなよ、とか、ビッグ3の失敗を目の当たりにしているはずなのに何故か米国でピックアップをバカスカ量産して、それが売れなくて苦労していたりとか、変なことやってたりするんですが、トヨタほど経営層の間に危機意識が強くて、時代の変調に敏感な会社はないので、正直焦っているんでしょうね。国内で車が売れない時代になって。にしても、この宣伝はひどいだろうと思うのですが、所詮マーケティング・ツールだとしか思ってないから、いいんでしょうね。会社としては。 まあ、最近、各種メディアで「エコ」とか「環境」とかいう言葉を目にしますが、例えば排出権取引なんて、要は社会全体で限度いっぱいまでCO2を排出したいための枠組に過ぎず、あんなものない方がCO2排出の絶対量は減らせるはずなのに、それを「CO2削減の切り札」と言ってみたり、結局はCO2排出の絶対量を減らすには経済活動全体のレベルを落とすしかないのに、そんな議論からは目を逸らせていたり。 だからトヨタだけがどうだ、って言うつもりはないんですけど、あんな下品な宣伝を臆面もなく流せる辺りが、企業としての強さの源泉かもしれないな、と思うと、少し寒い気持ちになるのです。。。
by kcchicago
| 2008-06-09 00:24
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