2009年 02月 10日
ビジネスの文脈で「レバレッジ」という言葉を使うと、特に最近は財務上のレバレッジの話ばかりが取り沙汰されがちですが、ふとB/S上の視点を右から左へずらすと、オペレーション側のレバレッジこそがここのところの企業経営上の大きな課題ではないかと思えてくる。 売上の減少によって自動車会社が大赤字に陥っているのを見るにつけ、無茶苦茶レバレッジが利いていたんだろうな、と。 半導体業界なんて設備集約産業の代表的なものかもしれないけど、好況時にはドカドカ設備投資をして、その多寡で明確に優勝劣敗が分かれてくる。でも、それは単にレバレッジを限界まで上げるチキン・レースをしていただけに過ぎず、環境が逆回転し始めると、レバレッジが利いていた企業(= 固定費が高かった企業)ほど赤字に陥りやすい。 そして、同じ業種内にそういう企業がいると、固定費回収のための売上確保という本末転倒な名目でディスカウント受注を始め、業界内の価格秩序を根底から破壊してしまう。 何だか、そんなスパイラルですね、今。 まあ、他人事のように言っていられる状況でもないのですが、好況時にリスクを顧みずレバレッジをかけ続けただけの人間があたかも名経営者のように賞賛されていたのは、結果論ではあるにせよ、誰も何も分かっていなかったんだな、と今更のように痛感させられます。
by kcchicago
| 2009-02-10 22:57
| 仕事
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