カテゴリ:MBA( 68 )


2012年 04月 01日

企業の自己定義

広すぎると、耳触りの良い宣伝文句にしかならない。
狭すぎると、単なる現状肯定にしかならない。

企業の戦略に連動していないと意味がなく、そのためには広すぎず、狭すぎない、ちょうど良い幅の自己定義が必要というお話。

自己定義と言っても、会社の存在意義とか社会的役割とか、そんな話ではなく、もっと明け透けに「うちの会社は何をやって儲けているのか?」ということ。そういったことを改めて考えてみた方が良い時期に来ているのではないだろうか?

広すぎる自己定義というのは、「当社はお客様の笑顔を作りだす企業です。」とか、「地球の明日に貢献します。」とか。あまりにも広すぎて、何も言っていないのと同じ。総論で反対する人はいないけど、この自己定義を各論として戦略にどのように落とし込めばいいか、何の指針にもならない。

狭すぎる自己定義というのは、「当社はAというカテゴリのお客様に、Xという技術で貢献します。」というもの。それはその通りなんだけど、細かく現状を肯定しているに過ぎず、何の発展性もない。

ちょうど良い幅の自己定義というのは、例えば「当社は業界の知見を活かしてAというカテゴリのお客様に貢献します。」とか、「当社はXという技術を核に、お客様に貢献します。」とか。前者であれば、Xという技術が陳腐化したとしても、Yという新たな技術やZというサービスでAカテゴリのお客様相手に事業展開できる可能性があるし、後者であればAカテゴリの市場が飽和したとしてもXという技術の転用でBやCといった新たな市場を開拓する可能性が残る。

自社の強みをしっかり把握して、事業を狭く限定し過ぎない、ということになるでしょうか。

これまで、「Aカテゴリのお客様に、Xという技術で貢献する。」という認識を変えないまま、あるいはそんな自己定義なんて全く意識せず、事業の在り方の根本的なところは変えないままでも何十年もやってこれたのでしょうが、これから先は自社の強みを活かした新たな事業展開というのを意識的に考えていかなければいけない。

そして、こういった自己定義を最も的確に行い、その自己定義に基づいて新たな事業を展開できるのは、何よりその会社のことを最もよく知っている社員に他ならないと思うわけです。著名なコンサルタントに頼るでもなく、一部の企画担当取締役の思いつきでもなく、社員相互の議論によって顕在的に意識されてこそ、新たな事業展開への内発的な動機ともなり得るのだろう、と。

そして、そういった議論を促していく土壌を作るのが、経営者の役割なのだろうな、と思います。
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by kcchicago | 2012-04-01 17:28 | MBA | Comments(0)
2012年 04月 01日

最適資本構成

特に現在の本業と関係ないので「MBA」カテゴリで上げておきます。

ある会社の最適な資本構成、即ち負債と資本の比率を考えてみる。一般的に言われているのは(と言うか、自分の身の回りでよく聞く話としては)、固定資産、特に会社の根幹となり永続的な保有が見込まれる資産見合いは資本を充て、運転資金見合いは負債で調達するという話。Duration Matchingの観点からは、それが正しいのかもしれないけど、Operational leverageとFinancial leverageから考えると、必ずしもそうでもないかもしれないという話。

Operational leverageというのは、物やサービスを生み出す工程を自社内に取り込み、変動的支出から固定的支出に組み替える代わりに単位当たりのコストを下げられるということ。但し、生産数量が一定量に達しない場合、固定費を回収できずに多額の損失を出す可能性がある。売上が年度によって極端に変動する業種の場合、固定費回収ロスが気になってなかなかleverageをかけられないし、逆に年による売上の変動幅が小さく、将来的にも安定した売上が期待できる場合には、よりleverageをかけられるということになる。

Financial leverageというのは、事業収入や運用による利回りが、負債による資金調達の利率を超える場合に、負債の比率を上げれば上げるほど、資本に対する利回りが向上していくという話。但し、それだけ借金を抱えるわけだから、何らかの理由で収入側のキャッシュフローが滞って、負債の返済に支障をきたすと、会社が財務的に破綻する恐れがある。売上及びそれに伴う現金収入の変動幅が大きい業種では、なかなかleverageをかけることができないし、逆に安定した売上と現金収入が見込める場合は、より負債の比率を上げることができる。

さて、この二つを組み合わせるとどういう結論になるかと言うと、安定した売上が見込める会社では、より固定的支出の比率と負債の比率を上げることができ、そうでない会社は固定的支出を控え、厚めの資本に頼ることになる。

と言うわけで、必ずしもDuration Matchingから考える資本構成(固定資産に資本を充てる)と合致するわけでもないのかな、というのが冒頭に掲げた疑問です。

歴史的に見て、日本企業の場合にこの疑問を解消してくれていたのが、金融機関による長期安定的な資金なのでしょうね。メインバンク制度や、興長銀による長期・低利の安定的な資金。戦後復興から高度成長まで、右肩上がりで経済成長が見込める中、こういった長期の融資を利用して固定資産を導入し、同時にleverageも上げてきた。「Leveraged finance」って、アメリカから輸入されてきた概念ですが、実質的には同業種であれば日本企業の方が負債の比率が高いというのは、よくある話だと思います。(昔、シカゴにいたときに「何故、日本企業は自己資本比率3割程度で会社を運営していけるんだ?それは明らかな危険水準じゃないか?」と、よく聞かれました。)

しかしながら、まあ時代が変わって、もうどんな業種であれ、長期・安定的な売上を期待することもできなくなり、長期の資金の出し手もいなくなってきた。興銀はみずほコーポレートになって、長銀は新生銀行になって、日債銀はあおぞら銀行になってサーベラスに買われてどうなったんでしたっけ?メインバンクだって、いつまでも支えてくれる時代じゃないですしね。。。

一方で、資産側の構成比率はそう簡単に変えられるものでもなく、半導体やら液晶パネルやら、設備投資合戦が続いていたこともあって、反って固定的支出の比率が高まっている事例もあったり。

いつもながらオチのない話で恐縮ですが、事業の先行きを見通した資産の構成比と、それに見合う最適な資本構成は、どの会社でも大きな見直しを迫られていて、なかなか悩ましい問題なのでしょうね。。。(-"-;)
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by kcchicago | 2012-04-01 15:51 | MBA | Comments(0)
2011年 07月 16日

マイクロファイナンス

さっき、twitterでひとしきり呟いた話ですが。

ここ最近になって、マイクロファイナンス(の一部)が連帯保証や高金利、強引な取り立て等で社会問題化している、との記事をちらほら目にします(あくまでも「一部」というのがミソだと思いますが)。

まあ、それはそれとして、滑稽なのが、グラミン銀行の創始者であるムハマド・ユヌスがノーベル賞を受賞した頃には、目をキラキラさせながら「自分もマイクロファイナンスに携わりたいんです」と言っていたような人たちが、一気にトーンダウンしてしまっているところ。それって、あんまりにも世の中の流行り廃りに踊らされすぎではないか、と。

誤解を恐れずに言えば、連帯保証と高金利を軸にして、商業銀行の融資を受けられない人たちに小口零細の金融機能を提供するという意味で、マイクロファイナンスはサラ金と同じものであり、そんなのは初めから分かりきっていることではないかと思う。

ただ、「だからダメだ」というのではなく、やはり小口零細金融には、商業銀行から締めだされている人たちに金融機能を提供するという意味で、社会的に重要な役割を担っているのだろう。そういう意味では、むしろサラ金の金融機能をもう一度評価してもいいのではないか。

サラ金が問題になったのは、非常な高金利と強引な取り立てが主たる要因かと思う。

高金利については、リスクの高い人に金融機能を提供する以上、どうしても一定の貸倒は発生するわけだし、年率に換算すると確かに暴利だけど、実際のところは超短期のつなぎ融資が中心で、借り手の方もそれを理解して借りるわけだろうから、ある程度は許容すべきではないか。ここを否定すると、小口零細金融そのものが成り立たなくなる。

後者については、行為規制で法律に反する個々の行為をきちっと取り締まればいいだけで、「だから小口零細金融そのものを禁止してしまおう」というのは、あまりに乱暴な議論ではないか。

あと、パチンコ等のギャンブルや買い物なんかの依存症とサラ金の合併症を起こしてしまう人がいるみたいだけど、それについても「だから小口零細金融なんか廃止すべきだ」というのは論理の飛躍で、ギャンブルそのものを取り締まればいいだけだと思います。買い物依存症なんかは対応が難しいかもしれませんが。

というわけで、たとえマイクロファイナンスが広い意味ではサラ金の亜累計であるにせよ、社会的な意義は揺らぐことはないのだから、マイクロファイナンスに携わりたい人は個別の問題を潰しながら自分の信じる道をすすめばいいし、その過程においては日本のサラ金が良い意味でも悪い意味でも色んな検討材料を提供してくれるのではないかと思うのです。

単純に、マイクロファイナンスという言葉が流行れば「マイクロファイナンスをやりたい」と目を輝かせながら言い、ソーシャル・ビジネスという言葉が流行れば「ソーシャル・ビジネスがやりたい」と言うのは、ある意味純真なのかもしれないけど、ややナイーブ過ぎると言うか、あまりに自分というものがなさ過ぎるように感じる今日この頃です。
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by kcchicago | 2011-07-16 22:46 | MBA | Comments(0)
2009年 08月 08日

8/27 Chicago Booth Tokyo Reception

来る8月27日(木)に、Chicago GSB改めChicago BoothのOfficial Receptionが開催されますので、ご興味のある方は是非ご参加下さい。


Take an in‐depth look at Chicago Booth at an Admissions Reception for the Full‐Time MBA Program. Join Chicago Booth Admissions staff and alumni to learn more about our program and gain insight into the admissions process.

Description:
This information session will provide you with a great opportunity to learn more about the Chicago Booth experience. Chicago has a very unique approach to MBA education and this event will introduce you to our value system, educational approach and the most flexible MBA program on earth! We are excited that you have decided to come learn more about us and we very much look forward to our opportunity to engage with you!

Location:
GE Japan Crotonville Leadership Training Center
Akasaka Park Building
5-2-20, Akasaka, Minatoku
Tokyo 107-6115

Event Date:
Thursday, August 27, 2009 6:30:00 PM - 8:30:00 PM

Learn more and register
by visiting: Our website

Questions?
Contact the Office of Admissions at admissions@ChicagoBooth.edu or 773.702.7369
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by kcchicago | 2009-08-08 10:03 | MBA | Comments(0)
2009年 07月 21日

MBA夏祭り2009

今年も7月3連休の最終日に、アゴス・ジャパン(旧プリンストン・レビュー)が主催する「MBA夏祭り」に参加してきました。これで帰国以来、5年連続。

2005年、2006年は会場が渋谷のセルリアンで、2007年、2008年は大手町サンケイプラザで、今年はフォーラム8だったので、「ああ、これも時代の流れかな」と感慨深く思っていたのですが、イベントが始まったら、あに図らんや、例年通りの大盛況でした。昨年のリーマン・ショック以来の高度金融工学叩きやビジネス・スクール叩きの流れを受けて、今年は受験者ががた減りするのかと思っていましたが、そうでもないようですね。まあ、海外では不況になると「仕事を辞めてMBAを取得するための機会費用が減った」と判断して、ビジネス・スクールに出願する人が増えるのが一般的な傾向らしいので、日本もそういう流れの中にあるということなのでしょうね。

というわけで、例年のことながら、このイベントでお会いした皆さまに合格という結果が訪れることを祈念しています。『Chicago Days』の頃と異なって、一般のApplicantの方がこのブログを御覧になることはほとんどなかろうと思いますが、お声がけ頂ければ、Essay対策くらいはアドバイス致しますので。

皆さまに、Good Luck!
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by kcchicago | 2009-07-21 20:39 | MBA | Comments(0)
2009年 04月 18日

恵比寿『百鳥』

さて、恵比寿の『百鳥』です。

シカゴ留学時代に近隣のB-Schoolに留学されていたKさんと一緒に飲んできました。

自分は社費留学だったので、必然的に就職活動はしていなかったため、他のスクールの方と顔を合わす機会もさほど多くはなく、Kさんのことも、もっとクールでスカした人だと思っていたのですが、焼き鳥屋で4時間近く、熱くがっつりと話し込んでしまいました。

最初こそ仕事の話や業界話をしていたのですが、途中から地元話(出身地同じでした)、NY生活、同級生話(学年も同じでした)、車、バイク、映画、建築等々、とめどなく話の内容が広がっていき、それぞれの内容も深く、めちゃめちゃ面白かったです。話題が豊富と言うか、どの分野でもきっちり引出しを持っている感じで、こういうのは大事だな、と改めて思いました。

お店は、今回初めて行ったお店でしたが、良いお店でした。ホッピーを飲みながら、自慢の串を堪能し、最後は何故かカレーで締める、といった感じです。駅近ながら発見しにくい場所にあるのですが、大人気店のようで、金曜の夜は二人であっても予約しないと入れないようなので、要注意です。
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by kcchicago | 2009-04-18 09:12 | MBA | Comments(0)
2008年 11月 11日

偶然の再会

さっきのエントリに関して、五反田で集合時間までうろちょろしている間に、ペンシルバニアのサマーでご一緒して、ケロッグのEMBAに留学されていた某氏とばったりお会いしました。

一瞬の邂逅で、名刺を交換しただけで終わってしまいましたが、こういった縁もあるものですね。
MBAによって、それまでのキャリアからは思いもよらなかった様々な人とのつながりを得られていますが、こういったつながりは大事にしていきたいものです。今日は本当の偶然でしたが、MBAの面白さって、こういうところにもあるんでしょうね。
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by kcchicago | 2008-11-11 01:04 | MBA | Comments(0)
2008年 10月 03日

西麻布 六根

西麻布 六根」で久々のGSB飲み。

最近の動向やら、アメリカ生活やら、留学時代に飲んでバカ騒ぎした話題やらで盛り上がる。

プロトコルの通じる話題?皆さん、変わらずお元気そうで何よりでした。

そして、お店は食通のOさんがちょくちょく使うだけあって、料理もおいしく、接客も丁寧で、雰囲気もある、非常に良いお店でした。
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by kcchicago | 2008-10-03 00:29 | MBA | Comments(0)
2008年 09月 16日

MBAで学ぶことの価値

すごい長文を書いたのですが、一旦全削除して。

「MBAで学んだことの価値」としては、「目的意識を持って学ぶこと」、「学んだことを目的意識を持って実務に活かせること」ができる人には、きっと多大な価値がある。そうでない人には、単なる学歴の記号的価値しかない。例えば、MBA以前に「大学で学んだこと」は実務上、どのような意味があるか?自分自身は大学の政治学の授業で学んだ「ハレとケの状況認識」や「『状況』的状況と『制度』的状況の違い」や、ゼミでひたすら読まされた『神皇正統記』とそこに記述されていた御成敗式目の考え方、勉強会で自由論や社会契約説をひたすら議論した法哲学の考え方は、今でも組織や制度のあり方を考えるときの自分の根底にある。別に自分が偉いと言いたいわけではなくて、人生のある時期に体系立てて学んだことは何だって人生の役に立つということ。「じゃあ、MBAじゃなくたっていいじゃん?」という人は、MBA以外の何かを学べばいい。それだけ。

「MBAのキャリア上の価値」としては、キャリア・チェンジのきっかけはなるし、そうしたいと思ったときに間口を広げてくれる効果はある。一種の記号的価値を生み出してくれるのも間違いない。

でも、MBAを取得して3年経って、それもそれなりに色々考える。40になったとき、50になったとき、60になったとき、誰がどれだけ生き残っているか?(「生き残る」という表現の定義を無視した暴論で申し訳ないけど)ファイナンスで言えば、キャピタル・マーケット系に行った人やアナリストとして偉くなろうとしている人はそれなりの確率で生き残るのではないか。IBDに行った人と、戦略コンサルに行った人は五分五分、その後の進路をどのタイミングで見出すのかによる気がする。事業会社に行った人は、あっちこっち転々としながらも、それなりに生き残っていそう、でも一ヵ所にいる期間が長い人の方が最後には良いポジションにいるように思える。おまけで言えば、自分のようにずっと日系の事業会社にいる人間は、現時点ではMBAを持っているキャリア上の意義はないけど、今後5年、10年、20年と経るにつれ、「持っていて良かった」という結論になるのではないか、と。


以上、激しく酔っ払った上での暴論、失礼。それだけに本音が出ているかもしれませんが。。。
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by kcchicago | 2008-09-16 01:35 | MBA | Comments(0)
2008年 07月 21日

MBA夏祭り2008

さて、毎年海の日の恒例、「アゴス・ジャパン(旧プリンストン・レビュー・ジャパン)」主催の「MBA夏祭り」に、今年も参加してきました。

今年も30校近くのビジネス・スクールが参加する、このお祭り。

我らがシカゴGSBも、2007I氏の旗振りの下、きっちりとブースを出して、アピールしてきました。

毎年のことながら、始まってしまうと途切れることなく人が訪れて、あっという間に3時間が経過してしまうこのお祭り。今年ももちろん大盛況だったのですが、個人的には何年ぶりかに会う旧知の人たちと会えたのが印象深かったです(人によっては10年ぶり)。

大学の勉強会の同期、部活の後輩、高校の同級生。その他には、道場のイベントで知り合った方々なども。

考えてみれば、ビジネスの世界は広いのか、狭いのか。日々、新たな人たちとの出会いがある一方で、その人たちと共通の知り合いがあっちこっちにいたり、イベントで知り合った人に、実はリアル・ビジネスでも目に見えないところでお世話になっていたり、普段の仕事で知り合った人の意外な一面をイベントで見ることができたり。

まあ、そんなことの一つ一つが「縁」というものなんでしょうね。

こうして知り合いになった多くの皆さまが、その夢を遂げられることを祈りつつ、今回の夏祭りも大盛況のうちに幕を閉じることができました。本日、弊校のブースに来られた皆さまに、是非とも成功のあらんことを。
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by kcchicago | 2008-07-21 23:31 | MBA | Comments(0)